弁慶の七戻り [エッセイ]
久しぶりに筑波山に登った。小振りながら結構険しい。
擬木の階段と岩が多く当日は泥濘るんだ箇所がところどころあった。
ケーブルカー沿いの山道をひたすら登る。
日差しが強いがアプローチは森の中、木々が涼しい。杉、樅、赤松、檜などあるが針葉樹が主だ。
先日の強い雨の影響か枯れ枝が散在している。
男体山(871m)と女体山(877m)があり奥様の方が大きい。
男体山には昔の測候所の建物が、女体山には関東平野を一望できる岩を重ねた頂がある。
山頂にも木々が多く、芽吹いたばかりか薄きいろが風に揺れている。
あっという間に新緑の季節になるだろう。休日には家族連れが多く遊びにくる。
こんなに低い山なのに深田久弥が日本百名山に選んだのは歴史があることが理由とか。
山門には仁王像や力士像が左右配置されているのをよく見かけるが、
ここは右に豊木入日子命(とよきいりひこのみこと)左に倭健命(やまとたけるのみこと)が
古代武人の立ち姿で往時を伝えている。記紀万葉の時代なので確かに古い。
帰り道は女体山の裏側から急な坂を下る。岩の連続で慎重に足を運ばないと
滑ることがあるので注意が必要だ。途中で登ってきたスニーカースタイルのお兄さんが
「キツイッス」と笑っていた。
所々に大きな奇岩があり、それぞれの名前が蛙岩、大仏石、北斗岩、裏面大黒岩、
出船入船、母の胎内くぐり、高天が原、弁慶七戻りなど。
弁慶七戻りが圧巻だ。重さなど想像も出来ないが何百トンもあるあろう巨石が
左右の岩に乗っている。今にも落ちそうな気がする。
あの弁慶ですら通るのに、行きつ戻りつ七回も躊躇したらしい?写真をご覧ください。
又登りたい山の一つです。
わが手には関東平野春けぶる
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