年末雑感

　


　日溜まりの　ビール横目に　障子張り　

　定年で退職した会社から一時頼まれていた仕事も十二月の末で終わった。請負であったので比較的自分の時間がとれたし、仕事も思い切ってできた。これから先のことは今から決める。のんびりした日日が続くのだろうか。因みにここ二三日は頭の緩急がありふらふら回転している。眼鏡を何度も探している自分がいる。「スローなブギにしてくれ」と突然頭に浮かんだ。スローライフの思いか！。定年を迎えた者の定番、スローという勲章に憧れていた訳ではない。忙しかったサラリーマン生活から新しい自分を発見しようと出てきたフレーズか？　ウォンチュー！
　新しい生活だ！第二の人生だ！と小器用にカーブをきることはできない性格だ。今までのスピードで今までのスタイルで生活するのが心にも身体にも一番いいのだと思う。だが今までの生活延長では座り心地が良くない。それに自分の気持ちが許しそうにない。意志を持って変えようとしている。このままでは早晩ボケの来たじいさんだ。それだけは何としても避けたい。ご免だ。自分を見つける脳内旅行だ！　旅立ちだ！

　伝統芸は技から入る。形を学ぶ。真似ぶからきていると言われるが、形をひとつひとつ身につけて自分のモノにしてゆく。変心に向かって形を絵に描き、それを実行してゆく。それが今後の自分の姿なのだと考えている。たぶん形をこなすだけで精一杯だろう。
　日常生活の憲法を書くことにした。じっくり絵を描こう。急ぐ必要はない。追い立てるモノは何もないのだ。実行できずに今でもやりたいことを描けば良いのだ。のんびりやればいい。誰も攻めはしない。そう考えているうちに、自分で自分を追い詰めている自分が見えてきた。

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