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好きな俳句 [先達の俳句]

 
 風頭山の凧揚げも懐かしい春の風物詩です。私の勤め先*が貯蓄推進運動宣伝の文句を
刷り込んだ凧を揚げるというので、私たちは山の上にテントを張り酒肴を用意して大張切でした。
凧揚げが終り、酒に酔い、四月の陽に焦げて山を下ってゆくと、麓のあたりに粉屋の水車があって、
頭の禿げたズングリした老年の男がたっているではありませんか。
その顔が妙に悲しそうだったので、私はおもわずつくってしまいました。 *日本銀行(注 soujanka)

 粉屋が哭く山を駆けおりてきた俺に
 
 こなやがなくやまをかけおりてきたおれに

  金子兜太著 「わが戦後俳句史」より

この俳句はNHK BShi のなんだこりゃ俳句?でも紹介されていた

春になって僕は、二千四~五百mの山に登った
自分の生活圏ではもう春は来てしばらくしていたし
時々暑い日が続いていたのでつい軽装でのぼった

山はまだ冬の様相であった
時々霧がでて、霙がふり、風があり、
それにまだ雪が深く、ハイキングスタイルでは苦しい一日であった

山を下りると一合目には山の神が居て、
僕は下山してすぐに頭をさげ挨拶した
でも、山は雨がふるように泣いていたのを覚えている

「粉屋が哭く」に驚かされたが
何回も声にだして読んでいると
「山を駆けおりてきた俺に」の言い方に親近感を覚えた






タグ:金子兜太
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